私の夢は画家になることです。
もっというと、絵を描いて生活できるようになることです。
まぁ、単純に小さい頃から絵を描くことも見ることも好きだったんですよね…。
ということで、そんな絵が好きな私のお気に入りの絵を今日は紹介したいと思います!
お気に入りの絵、といっても結構あるので、本日はお気に入りの中でも幼少期に私に影響を与えてくれた絵を10枚セレクトいたしました!!
小さい頃に衝撃的だったものなので、割とポピュラーなものが多いです。
【第10位】ウジェーヌ・ドラクロワ「民衆を導く自由の女神」
第10位はこのブログのヘッダー画像にも使用しているウジェーヌ・ドラクロワの「民衆を導く自由の女神」です。
フランス革命を記念して描かれたこの絵は、「自由・平等・友愛」というスローガンのもと、民衆の力で絶対王政を崩壊させ、民主主義時代の幕開けを表現しています。
幾多の屍の上を歩く女神は、実在の人物ではありません。彼女は晴れて自由の身となった民衆の象徴として描かれています。
名前は「マリアンヌ(自由の女神)」といい、フランスの擬人化されたイメージとのこと。
だからフランス国旗を掲げているのですね。
フランス国旗の青・白・赤にはそれぞれ(トリコロール)は「自由・平等・博愛」の意味が込められており、この絵にも青・白・赤が意図的に散りばめられています。よく見ると、空も青・白・赤のグラデーションなのがわかります。
ちなみに彼女が被っている帽子はフリギア帽といい、古代ギリシャの奴隷が被っていた帽子なんだとか。
この絵を最初に見たのは小学校の図工室だったと思います。
この絵を見るとなんだか、やる気が出てきませんか?
「さぁ、革命を起こしてやる!!」
私にとって、そんなやる気を出させてくれる絵なのです。
このブログのヘッダー画像に使用しているのも、「人生の自由を獲得するぞ!夢を叶えるぞ!(意訳:会社員辞めたい)」という願いを込めました。(笑)
【第9位】ギュスターヴ・カイユボット「床に鉋をかける人々」
この絵を最初に見たのが中学校の美術の資料集だったと思います。
この絵は、都市で働く労働者の日常を描いた絵です。政治的なメッセージや意味も特にありません。
あくまで働く労働者を写実的に描いています。
反射する床の表現が好きで、この作品が好きになりました。
光の当たり方が素敵です。
カイユボットの絵は当時の庶民の日常を描いた作品が多いので、どこか親近感を覚えます。
【第8位】和田三造「南風」
この絵は中学時代、尊敬する美術の先生が模写していたことからお気に入りとなりました。
力強く、明快な色使いで描かれたこの作品は、作者自信が舟で遭難しかけた経験を元に描かれています。
しかし、どうでしょう。
広大な海の真ん中で遭難しているとは思えないほど鮮やかな絵で、絶望感は全く感じません。
光と影のコントラストでまさに「夏の海」といった清々しささえ感じます。
それが今も昔も自分の境遇と重なります。
長い人生の道のりで、どこか私も遭難しかけていますが、なぜか今は希望が見えているような気がします。
【第7位】エドワード・ホッパー 「ガソリン・スタンド」
この絵も中学校の美術の資料集で知りました。
この田舎の日暮れの感じがとても素敵です。
まだ暗くなりきれていない風景に、ガソリンスタンドの灯りが光っている感じもとてもエモいです。
終わり自宅をしている中年の男性もいい味を出しています。
1日の終わりを感じさせる、なんとも表現のしがたい哀愁を感じる1枚です。
この他にもホッパーの絵はノスタルジーを感じる絵が多く、大好きな画家のうちのひとりです。
【第6位】ジャン=フランソワ・ミレー「羊飼いの少女」
こちらの作品もミレーらしい、静寂で、広がりを感じさせる広大な大地を基盤とした絵画です。
何気ない風景画なのですが、どこか神々しさを感じとても美しいです。
私もいつの日か、このような荘厳で美しい作品を描きたいものです。
解説には下記のようにあります。
「羊飼いの少女」は時間が止まったかのような美しく叙情的な描写になぜか心惹かれますね……。ミレーの絵によく描かれる反逆光の光は日暮れが刻一刻と近づいていることも伝えます。
草を食む羊の群れを照らす柔らかな光が郷愁を呼び起こします。そして、季節は晩秋から冬の初めなのでしょうか。寒空の下に立ちつくす少女の健気な姿が愛おしくてたまりません……。
引用:https://puresmilesaiko.com/millet-shepherd/
長期間不遇の時代を過ごし、精神的に追い込まれていたミレーは、この絵の発表以降、評価は鰻登りに上昇していくこととなります。
【第5位】フィンセント・ファン・ゴッホ 「ひまわり」
言わずと知れたゴッホのひまわり。私も大好きです。
この絵のおかげで「黄色」という色に興味を持ちました。
実はゴッホのひまわりという作品は7作品あり、うち現存するものが6作品です。(1枚は残念ながら第二次世界大戦の時に焼失してしまったようです)
その中でも、ロンドン・ナショナル・ギャラリー所蔵の上記画像のひまわりが一番有名なひまわりです。
ロンドン・ナショナル・ギャラリー所蔵のこのひまわりは、ゴッホ自身も非常にお気に入りだったみたいで、大切に保管していたんだとか。
他のひまわりも見たいという方は下記リンクからどうぞ。
https://casie.jp/media/gogh-himawari/
【第4位】ジャン=フランソワ・ミレー「晩鐘」
第4位はまたもジャン=フランソワ・ミレーの作品「晩鐘」です。
農家の夫婦が大地に向かって祈りを捧げている絵です。
広大な土地と夕焼けの効果で、非常にドラマチックで荘厳な雰囲気の絵画で、私の非常にお気に入りの絵画です。
上記の引用先の解説には、下記のようにあります。
ミレーが子供のころ、夕方の鐘が鳴ると、祖母は農作業の手をやめさせ、帽子を脱ぎ、哀れな死者のためにアンジュラスの祈りをするように言うのが習慣であった。そういう思い出を描いたのが、この≪晩鐘≫である。
引用:https://artmuseum.jpn.org/mu_bansyou.html
私の祖父母も農家であったので、非常に親近感が湧きます。
私の住んでいる場所は田舎なので、朝7時、正午、午後3時、5時、9時とそれぞれ時報のチャイムが鳴ります。そういった意味でも、馴染みのある絵なのです。
ところで、引用元の「アンジュラスの祈り」とはなんでしょうか?
解説してくれているサイトを見つけたので、引用を貼っておきます。
天使ガブリエルが、マリアに神の子を宿されたことを告げる受胎告知の絵は大変有名ですが、「お告げの祈り」は、その受胎告知を祈りで表したものと言えるでしょう。
ミレーの描いた「晩鐘」という有名な絵がありますが、これは、夕方6時の「お告げの祈り」を畑で唱えている夫婦が描かれています。
時計がまだ、一般家庭にないころは、この「お告げの祈り」を知らせる「お告げの鐘」が、時を知る大切な手段でもあったのです。
この祈りを「アンジェラスの祈り」と言ったり、「お告げの鐘」を「アンジェラスの鐘」と言ったりするのは、この祈りのラテン語の最初の言葉が、「アンジェルス」(天使の意)で始まるからです。この「アンジェルス」を英語読みにして、日本ではいつの間にか「アンジェラス」となったのです。
https://www.pauline.or.jp/chripedia/mame_Angelus.php
絵画を解説まで見ると、その当時のその国のその人々の暮らしや習慣などが見えてきて、さらに魅力的に感じます。
【第3位】フィンセント・ファン・ゴッホ 「星夜月」
これもまた有名なゴッホの「星夜月」です。
この最初の見た目もインパクト大なこの作品は、ゴッホの死の前年に精神病院入院中に描かれたものです。
星夜月を見る際にポイントとなる点がいくつかあります。
まずは、手前の大きな糸杉について。
ゴッホは元々、紙で弟のテオドルスに向けて糸杉の魅力について書くほど、糸杉が大好きなのです。
「糸杉」という題名の作品も残しているほどです。
そして、描かれている糸杉の解説にはこうあります。
前景にある大きな木は糸杉である。糸杉はまるで炎のようでキャンバスの下端から上端まで描かれており、それは土地と空を視覚的に接続する役割を果たしている。 天と地を接続している糸杉は、一般的に天国と関連して、死の架け橋の象徴とみなされている。また糸杉は墓地の木ともみなされており、哀悼の意を表しているという。
引用:https://www.artpedia.asia/work-the-starry-night/#:~:text=%E3%80%8A%E6%98%9F%E6%9C%88%E5%A4%9C%E3%80%8B%E3%81%AF%E3%80%811889%E5%B9%B4,%E3%81%AB%E6%8F%8F%E3%81%8B%E3%82%8C%E3%81%A6%E3%81%84%E3%82%8B%E3%80%82
死の直前、意図的にこの糸杉を描いたかどうかは定かではありませんが、最後の作品に自分の好きな題材を描こうとするのは、同じ画家(ゴッホを前に画家を自称するのはいささか気が引けますが)として妙に納得できます。
そして、この星を描いた風景ですが、実は実在しないことが知られています。
そう、この風景はゴッホの過去の記憶を頼りに描いたものなのです。
そして、星や惑星といえば「死後の世界の象徴」
死を意識して描いた作品という説が濃厚のようです。
また、技術的な点では、全体的な「青」の中に星や月といった「黄色」が散りばめられています。
この配色はゴッホの作品には多いのですが、実は「青」と「黄色」は補色関係にあります。
つまり、「黄色」は「青」の反対色なので、星や月が一層際立って見えるのです。
このように、ゴッホは当時知られていなかった「補色」についても熱心に研究していました。
私も大好きな配色です。
【第2位】フィンセント・ファン・ゴッホ 「夜のカフェテラス」
またまたゴッホです。
ゴッホ大好きなのですみません。
これもまた、ゴッホお得意の「青」と「黄色」の配色で描かれており、とてもオシャレです。
そしてなんと!この風景は今も見ることができるそうで、私も死ぬまでに1度は、いやできれば何度でも!!訪れたい場所です。
ちなみにルイ・アンクタン《クリシーの大通り》からインスパイアを受けて描いたものではないかとの指摘もあります。
この絵は単純にビジュアルが好みです。
とてもオシャレ。
【第1位】エドヴァルド・ムンク「叫び(ムンクの叫び)」
個人的第1位は、なんといっても私が画家を目指すきっかけとなったムンクの「叫び」。
「叫び」という題名ではあるものの、この中央の人物?は実は叫んでいるのではないそう。
友人と歩いている夕暮れ、当然の幻聴・幻覚に見舞われたムンクがその恐怖のあまり、耳を塞いでいるのです。
のちにムンクはこう描写しています。
「ある夜、私が町を散歩していると、片側に町が見え、その下にフィヨルドがあった。
私は疲れていて、病気を感じた。足を止めてフィヨルドのほうに目を向けると、太陽が沈みかかっていて、雲は血のような赤に染まりつつあった。
私は自然を通り抜けていく叫び声を感じた。私は叫び声を聞いたように思えた。私はこの絵で、実際の血のような色の雲を描いた。その色味は悲鳴(shriek)のようだった。
そしてこの絵は「叫び(The Scream)」になった。」
引用:https://www.artpedia.asia/work-the-scream/
ムンクの人生は波瀾万丈です。
5歳のとき、33歳という若さで母親が結核で亡くなったり、姉が15歳という若さで亡くなったり…。
自身も、ストーカーのような彼女とのいざこざなど、不幸の絶えなかったムンク。
ついにムンクは精神を壊してしまい、アルコール中毒や統合失調症に陥っていきます。
しかし、精神病院へ入院し、退院する頃には精神が安定したようで、今までには考えられない明るい作風の作品を残します。
その後もナチスに怯えたりと、色々とありながらも80歳まで生き、天寿を全うしました。
この絵がきっかけで画家を目指すようになったので、私にとっては特別な絵です。
一瞬見るだけで、その時のムンクの恐怖・不安がダイレクトに伝わってきます。
そして、この世の人間が描いたものとは思えない、どこか神秘的な感じさえ受けます。
このように、唯一無二の、良くも悪くもみんなの心に残るような作品を生涯かけて描いていきたいと、心から思います。
今回は、「幼少期に影響を受けた私のお気に入りの絵 トップ10」を紹介いたしました。
まだまだお気に入りの絵画はいっぱいあります。
今回見やすいようにトップ10にするため、だいぶ絞りに絞ったので、
後で番外編でも作成しようかなと思います。