「今日が人生の最後の日だったら、今日やろうとしていることをやりたいと思うだろうか?」
この一文はかの有名なApple社の創業者、故スティーブ・ジョブズ氏がスタンフォード大学の卒業式で述べた祝辞の一部です。
私はApple社の製品が大好きで、スティーブ・ジョブズ氏の考え方や信念も大好きです。
直接は会ったことがないですし、噂によると人間性はそんなに高くはない、ともよく聞きますが、Apple社の製品のデザイン、シンプルイズベストの考え方などは私の理想であり、憧れです。
そんなジョブズが、この話題を出すのにはある出来事がきっかけでした。
「死」について向き合うきっかけとなった「がん」の宣告
この演説を述べる1年前、「がん」の診断を受けていたのです。
そしてその後、余命宣告を受けるのです。
奇跡的にその時は手術で治療をし、一命は取り留めたようですが、「死」に向き合う瞬間でもありました。
そうして、以下のようなことを述べています。
自分はまもなく死ぬという認識が、重大な決断を下すときに一番役立つのです。なぜなら、永遠の希望やプライド、失敗する不安…これらはほとんどすべて、死の前には何の意味もなさなくなるからです。本当に大切なことしか残らない。自分は死ぬのだと思い出すことが、敗北する不安にとらわれない最良の方法です。我々はみんな最初から裸です。自分の心に従わない理由はないのです。
引用:https://www.nikkei.com/article/DGXZZO35455660Y1A001C1000000/
人は、自分がいつ死ぬか分かりません。
50年先かも知れないし、明日かも知れない。
だから、大事なことは「悔いのないように生きること」だと私は思います。
私の「死」を意識させられた出来事
私自身、何度か「死」ということを意識させられた出来事があります。
ひとつは東日本大震災。
もうひとつは、以前自分が勤めていた会社の代表が突然事故死した出来事です。
どの出来事も、永遠に思えていた自分の人生にもいつか終わりが来るんだな、ハッキリと認識させられました。
今平和で穏やかに生きているのは、実は奇跡に近いことなんだと。
というのを、今月は上記に挙げた以前自分が勤めていた会社の代表が事故死した月なので、改めて自分の思考を整理したいと思ったからです。
(すみません、この記事は夏に執筆したものなので、公開の時期は大分過ぎてしまいました…)
たとえ今死んでも後悔しないために大事なこと
この「死」を意識させられる前は、私はいわゆる「自分の好物は最後に取っておいて食べる派」だったのですが、こういった出来事を通して「先に好物を食べよう」と考え方が変わりました。
好物を最後に取っておいて自分が死んでしまったら、元も子もないからです。
先述のように、人は自分がいつ死ぬか分かりません。
なので、未来を充実させることよりも、まず初めに現在を充実させなければならないと思いました。
仏教の教えも「現在」に重きを置いています。
なぜなら、「過去は現在の原因として、未来は現在の結果としてあるものだから、現在がすべてだ」
と考えるからです。
もちろん、過去を反省し現在に生かすこと、未来に備えることも大事です。
しかし、それ以上に「現在」を充実させなければ過去も未来も満足のいくものにならないでしょう。
理由は上述の通り、『現在は、これまでの過去の「結果」・これからやってくる未来の「原因」』だからです。
悔いのない過去にするため、明るい未来や未来の不安を払拭するためには、現在のこの一瞬一瞬に集中するほかないのです。
https://happylifestyle.com/6245
「命」は永遠のものではないからこそ
そして、もうひとつ。
銃殺直前から命を救われ、その後大作家となった偉人がいます。
それが「ドストエフスキー」
詳しいことは省きますが、彼は自分の命は有限なんだと「死」を強く意識することにより、大作を生み出すことができたのです。
少し脱線しましたが、話を元に戻します。
長々と書きましたが、本当にやりたいことを後回しにしないことが重要だと思います。
30歳を過ぎてわかってきましたが、やりたいことを後回しにするほど人生は長くありません。
それでも、今の仕事を辞めて大丈夫だろうか?、私には才能がないから…。
と悩むことと思います。
そんな時は、最初の一文を思い出しましょう。
「今日が人生の最後の日だったら、今日やろうとしていることをやりたいと思うだろうか?」
もし今、自分が死んだとすれば、生きてきた人生に本当に後悔はないでしょうか?
最後に、ジョブズのスピーチからの引用を紹介して終わりたいと思います。
あなた方の時間は限られています。だから、本意でない人生を生きて時間を無駄にしないでください。ドグマにとらわれてはいけない。それは他人の考えに従って生きることと同じです。他人の考えに溺れるあまり、あなた方の内なる声がかき消されないように。そして何より大事なのは、自分の心と直感に従う勇気を持つことです。あなた方の心や直感は、自分が本当は何をしたいのかもう知っているはずです。
引用:https://www.nikkei.com/article/DGXZZO35455660Y1A001C1000000/